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この書体は、かつて金属活字メーカーとして有名だった「モトヤ」の作品です。モトヤは20世紀終盤まで金属活字による組版を続けてきましたが、出版業界全体のデジタル化の中で、モトヤによる活版印刷用の活字は1996年に終焉を迎えました。 元々「モトヤ楷書」などを写研やモリサワといった写植機会社に提供していたため、活版印刷でなくてもモトヤの書体を見ることができましたが、2000年代に入ってからはパーソナルコンピュータ用のフォント制作へ積極的に取り組んでいるようです。また、ワードプロセッサにモトヤの書体が搭載されていた時期もありました。 今回の「モトヤアポロ」(以下「アポロ」)は、モトヤのサイトによると1969年に「タイプ活字」用に「アポロ2」が制作されました。おそらくは和文タイプライターに搭載するための活字だったのでしょう。そのためか最近までこの書体を見ることはありませんでしたし、名前を聞いたこともありませんでした。 アポロの特徴としては、明朝体の漢字や「タイポス」のように縦画は太く、横画は細くしたことによって視認性に優れ、字画を幾何学的に処理することで明るく親しみやすい印象があります。細いウェイト(書体の太さ)は優雅で軽やか、太いウェイトは力強くありながら明朝体ほど堅苦しくないと思います。完成度が高く、特に細めのウェイトで組むと美しいと思います。 アポロは2002年にデジタルフォントとしてよみがえり、ウェイト(太さ)展開をしてその活躍の場を広げつつあります。デジタル化によって徐々に印刷物への使用が増え、日本テレビや名古屋テレビ放送の字幕にも頻繁に使われています。 ●ファミリー アポロ2 1969 2005.1.7 2006.11.17 加筆 |