写植【しゃしょくまたはしゃちょく】

 書籍から漫画の台詞まで、多くの印刷物の文字に使われてきた「写植」こと「写真植字」は、1924年に石井茂吉・森澤信夫両氏によって発明され、1929年に実用化されました。

 この写真植字は、“文字盤”(ネガ)を通った光によって“印画紙”を感光させ、“現像”し定着すること(ポジ)によって印字するという仕組みです。つまり、白黒「写真」の原理で「植字*」しているといえます。写植はこういった仕組みのことを指すのですが、写植の仕組みを使って印字したものも写植と呼びます。
 (漫画同人誌の台詞などに使うパソコンで印字したものは、厳密には写植と呼びません。)

*植字 印刷文字に金属活字を使っていた時代、文字を植えるようにして並べていったことに由来する言葉で、文字を配置するというような意味です。

 「電算写植」というコンピュータを利用したシステムもありますが、こちらはパーソナルコンピュータと同じようにアウトラインフォント(輪郭のデータによって作られている書体)を用いたものが主流です。大量の文字を処理できるため、雑誌や単行本の本文などは電算写植によるものも多いです。

●用例

 写植(手動写植)の現在の主な用途は漫画の台詞などですが、装丁に気を遣った本や記事などでも写植文字を見ることができます。

中西秀彦『活字が消えた日』カバー見返し部分(石井中明朝体OKL・写研)

森生まさみ『おまけの小林クン』12巻
(左:イナクズレ 右:石井太ゴシック体+中見出しアンチック いずれも写研)

※写植文字紹介のための掲載ではありますが、もし著作者様側に不都合であれば、削除いたします。


2005.5.14

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