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この書体は、1974年、それまで懐(画線と画線との隙間)が狭くおとなしかったゴシック体のイメージを覆す、見出し用のゴシック体として生まれました。以前取り上げた「石井太ゴシック体」(写研)や「見出ゴシック体MB31」(モリサワ)は肉筆に近い字形をしていましたが、この書体は四角の枠いっぱいに広がるようにデザインされています。 「見出ゴシックMB101」は、1980年代中盤から盛んに使われるようになりました。1970年代には「石井中明朝体OKL」(写研)一辺倒だった広告・デザイン業界に一石を投じたのです。肉太な印象が言葉に力強い訴求力を持たせたのです。例えばビールの広告や雑誌の見出しなどに使われ、たいへんに目を引きつけます。 同じ極太ゴシック体には「ゴナ」(写研)があるのですが、こちらは幾何学的な処理のされたゴシック体で、どちらかといえば都会的ですっきりした印象があります。ゴナがカバーできなかった表現の範囲を見出ゴシック体MB101が獲得したと言ってもよいと思います。 その後、さらに太い「特太見出ゴシック体MBU101」、「同H」を発売、力強さに磨きをかけました。1990年代中盤にはパーソナルコンピュータ用の PostScript フォント「ゴシックMB101」ファミリー(同じデザインの書体の集まり)として甦り、現在は「新ゴ」(モリサワ)と並ぶモリサワの人気書体として不動の地位にあります。DTP(パーソナルコンピュータで出版・印刷すること)で発行される雑誌ではかなりの確率で見ることが出来ます。また、身近な使用例としては、ソニーミュージックエンタテインメントのCDの帯などがあります。 2004年8月25日、ゴシックMB101ファミリーは細いウェイト(太さ)へと展開し、ファミリーの完成を見ました。「見出ゴシック体」という限られた用途から、本文として使っても差し支えがない書体へと成長(?)したのです。 筆者は発売されてすぐ「ゴシックMB101 L」を購入したのですが、デジタルフォント化されていないモリサワの細ゴシック体と「ヒラギノ角ゴシック体」(字游工房)を合わせたような印象があります(下の図1参照)。ただし、「な」にくせがあります(お馴染みですが)。懐はやはり大きく現代的ですが、長文でなければ本文でも使えそうです。元々「中ゴシックBBB」ではちょっと太いと思って購入したので、十分役割を果たしてくれそうであります。「ヒラギノ角ゴシック体」はより現代的で整理されたデザインですので、かつての「見出ゴシック体MB101」がそうであったように、肉声を伝えてくれそうな書体だと思います。(→ゴシックMB101 Lの組見本) ![]() |
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●ファミリー(初出当時の名称です) ゴシックMB101 L 2004.8.25 2004.9.5 |