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書体にちょっと詳しい人やデザイナーならこの書体を知っているのではないでしょうか。写植と聞いて『ゴナ』を真っ先に思い出す人も多いでしょう。 この『ゴナ』は、1975年に最も太いウェイト『ゴナU』が発売されました。作者は『ナール』と同じ、中村征宏氏です。そのため字形の印象がよく似ています。名前の由来は、おそらくは「中村ゴシック」を略してひっくり返したものだと思われます。画線を直線的に処理し、ほぼ均一な太さにしたところが以前のゴシック体(石井ゴシック体等)と比較すると斬新で、こういった“新世代ゴシック”の中では一番の美しさを誇っています(と思う)。安定感があり読み易いデザインだと思います。同じようなコンセプトの書体に、『新ゴ』(モリサワ)、『ナウG』(リョービ)、『JTCウイン』(ニィス)、『ロダン』(フォントワークス)等があります。『ゴナ』は歴史的に一番古く、それらの書体の手本となったと言ってもよいでしょう。 のちにこの『ゴナ』は、E(1980年)が発売され、その後写研で試作していた『ゴナM』『ゴナDB』が旧三菱銀行の制定書体に決定したのをきっかけにこれら2書体も発売、他のウェイトも順次開発されていきました。その他、影付きの『ゴナOS』や点画の中心に線が入った『ゴナIN』等、大ファミリー(同じ字形の書体の集まり)を形成しました。そして1985年、EとUの中間の太さの『ゴナH』を発売し、ゴナファミリーの完成を見ました。 1990年代前半までは間違いなくゴシック体を代表する存在だったのですが、今では、「日本人なら、一日一回は見ていると思う書体!」と言えなくなってしまったのが残念です。モリサワのデジタルフォントである『新ゴ』に押され、この書体を以前より見かけなくなってしまいました。それでも人気は根強く、大手の出版物や漫画を中心によく使われています。また、駅の案内板や道ばたの広告看板等にも見られます。私も、『新ゴ』を使わずにわざわざ写植屋さんで『ゴナ』を印字してもらっています。『新ゴ』は何だか、ゴナをふざけさせたような字形なので、真面目な文に似合わないと思うのです。 ●「ゴナ」の偽物について |
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●ファミリー ゴナL 1983 2003.1.21 |